令和元年度川上村砂防ダム地点発電所建設工事 設計監理業務
業務の概要
長野県企業局様から発注された設計・施工一体の請負契約である川上村砂防ダム地点発電所建設工事について、公募型プロポーザル方式
にて選定された藤田エンジニアリング株式会社上田営業所様を受注者とし、当社はその設計協力として携わっています。
土木設計の特徴
ポイント①:既設砂防ダムの落差を活用したサイフォン機能による取水方式
・既設砂防ダムの遊休落差を利用し、砂防ダム上流側に取水口を設けて発電所へ導水します。
・取水方式としてサイフォン機能を採用しました。水圧管路内を充水し真空化させることで、配管ルートが取水地点よりも高い地点が
あってもポンプでくみ上げることなく自然流下する特徴があります。
・水圧管路の配管にあたっては、堤体の一部取壊しと復旧が必要であるため、設計では施工性や止水性に配慮しました。
ポイント②:冬期における凍結対策
・冬期の気温が氷点下となる川上村において、導水設備等の凍結対策として、水圧管路は全てコンクリートにて巻立てる構造と
しています。
ポイント③:発電所自立運転機能
・金峰山川発電所は地域の非常用電源として活用できる自立運転機能(※)を有した発電所として設計しています。
※自立運転機能とは・・・大規模災害時などで停電が発生した場合に、自立運転機能を有する発電所が単独で発電を行う機能です。
活用事例として、コンセント等を通した充電式機器への電源供給が可能です。
建築設計の特徴
ポイント①:意匠性(周辺環境、景観との調和)
・鉄骨造平屋建ての発電所建屋は、緑の多い周囲の景観になじむよう、落ち着いた和風のデザインとしました。
・腰壁は、和風建築で用いられる下見板の意匠とし、漆喰をイメージしたアイボリー色の外壁に、縦横の化粧ボーダーを配置しています。
ポイント②:地元小中学生の環境教育施設
・建屋の西側には、大きな見学窓を2箇所設け、訪れた方がいつでも水車や発電所内の様子を覗けるようになっています。
担当者から
当社では、北陸電力グループとして、数々の水力発電の設計・監理で培った技術力を強みに、北陸地域だけでなく甲信越、北関東、東北地方へ広く展開しています。
今回の業務は、設計施工一括発注方式(Design-Build)の発注形態であり、設計から施工まで一貫して携わり、事業者、元請業者、協力業者等幅広い方々と協力して取り組むプロジェクトです。
業務を主担当者として設計から完成まで携われる環境と多くの気づきが得られるこのプロジェクトは、貴重な経験となっています。
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