実績紹介

水力発電

庄川用水合口ダム発電所設置事業実施設計

2010年度 / 庄川沿岸用水土地改良区連合

業務の概要

本発電所の計画及び実施に当たり、基本設計及び実施設計を担当しました。

発電計画の概要

本発電所は、最大使用水量6.50m3/sにて庄川用水合口ダム右岸予備取水口(既設)より取水し延長42.6mの水圧管路で発電所に導き、有効落差10.69mを得て最大570kWの発電を行うものです。

本発電所の使用水量は、庄川用水合口ダムの河川維持放流量8.35m3/sのうち、6.50m3/sを導水し、発電後は、同ダム直下の右岸側に還元放流します。

水車は立軸円筒可動羽根手動調整式プロペラ水車を採用し、立軸三相交流誘導発電機を用いています。

本設計業務における特徴

河川維持放流量8.35m3/sのうち、通年で6.50m3/sを利用します。また、既設の庄川用水合口ダム右岸予備取水口と、閉塞されていた既設のトンネル部分を利用し、そのトンネル内部に水圧管路を設置する等により、土木関連の建設コストを抑えた計画としています。

担当者から

発電所設備は、取水口から放水口まで54.35mとコンパクトではありますが、庄川右岸の斜面部を最大で15.3m掘り下げる必要があることや、施工エリアが狭いこともあって、アースアンカー併用の土留めを検討する必要がありました。また、このアンカーの打ち込み先には、用水路のトンネルが通っているため、それらを避ける計画が必要でした。また、放水口の掘削時には河川の水面より最大で4.7m程度掘削する必要がありましたが、その周辺には安山岩が露頭しており、一般的な土留めや大型土嚢の選定が出来なかったため、既設安山岩の掘り残し部分を土留めとして利用する案を提案しました。

本発電所の計画では本工事について厳しい制約条件がありましたが、仮設においても、これまでの経験を活かすことの出来ない難題が複数あったことから、社内の英知を結集することにより、何とか完成させることが出来ました。