わたしたちの提案 新技術活用

AI(⼈⼯知能)
北電技術コンサルタントでは、AIによる“課題解決”を⾏っています。わたしたちの技術⼒とAIとのコラボレーションにより潜在的な課題を発掘し、確かなソリューションを提供いたします。

AI技術を用いてダムへの流入量を予測し、ダム管理の負担を軽減します。

  1. 無駄な放水、放流を軽減し、発電量の最適化を実現。
  2. 適切な作業人員配置が可能。
  3. 異常洪水時の防災対応が可能。

ダムや河川に流⼊する⽔量の予測は

従来、ダムや河川に流⼊する⽔量(⽔位変動)予測は、分布型モデルやタンクモデルなどによる予測値を⽤いています。モデル構築のためには膨⼤なモデル定数(パラメーター)を設定する必要あり、その設定数や組み合わせによる試⾏錯誤回数が多く、近年の気象変動によりさらに難易度が⾼まっています。
また、治⽔⽬的で運⽤されているダムや河川堤防に関しては、⼈命を守る観点よりこの分野の注⽬度と重要性が極めて⾼く、ダム管理主任技術者に課せられる負担も⼤きくなっています。

AIモデル開発のイメージ

現状の予測⽅法に変わる技術は

AIによる流⼊量予測に豊富な実績を持つJFEエンジニアリング(株)と、⻑年にわたってダム‧河川等の運⽤保全を担ってきた北陸電⼒グループで、適⽤分野の検討を⾏いました。
主に利⽔⽬的で運⽤しているダムの流⼊量予測への適合性を検証するため、北陸電⼒(株)浅井⽥ダムの流⼊量予測による検証を⾏い、⾼い適合性を達成しました。

ダム流入量:6時間先予測の検証結果
  1. 精度の高い損傷位置の把握を実現。
  2. 損傷図の自動作成が可能なため、作業時間短縮を実現。
  3. AIが作成した損傷図と合成写真を組み合わせることで損傷経過の確認が容易。

<ひびみっけ(画像診断AI)とは

近接目視点検の代替として撮影したコンクリートの画像からAIがひび割れ箇所を自動検出し、損傷の見落とし防止を支援するソフトウェアです。
ひびみっけを使用することにより、従来法からの精度向上が見込めます。

※「ひびみっけ」は、富士フイルム㈱の社会インフラ画像診断サービスです。

◆ひびみっけによる合成画像
◆「従来法」と「一眼レフ&ひびみっけ」の比較
従来法:黒線
一眼レフ&ひびみっけ:赤線

橋梁や建物外壁などのコンクリート打ち放し面で、
ひび割れが気になっている方はぜひお声をおかけください。

点検作業の省力化に向けて、3種類の撮影機材(ドローン、一眼レフカメラ、ポールカメラ)で撮影した画像の精度(ひびみっけ利用)と点検コストについて検証しています。

<画像診断AIを用いた橋脚におけるひび割れ自動計測検証>

≪目的≫
点検対象や環境に適した撮影機材×「ひびみっけ(AI)」の活用方法を整理し、その導入効果(精度、生産性)を明らかにする。

!新技術を活用した点検作業省力化を検証!

ドローン×画像診断AI
1眼レフカメラ×画像診断AI
ポールカメラ×画像診断AI

点検対象の環境に適した撮影機材の選定

撮影機材 優位性 劣位性

適用性が高いと思われる部材

一眼レフカメラ

  • 三脚を立て、静止状態で撮影するためブレが少なく、照度が低い場所にも適用できる
  • 煽り撮影(20度以内)で撮影できる場所が限定的
  • カメラの設置・移動に時間がかかる
  • 床版、主構下面など
  • 陸上の橋脚、橋台
ドローン
  • アクセス困難箇所の撮影が容易
  • 移動しながら撮影することで撮影時間を短縮できる
  • 移動しながら撮影するためブレやすく、特に暗所では撮影困難
  • 10m超の高橋脚
  • 河川上の橋脚、上部工など
ポールカメラ
  • 人やドローンが容易に入れない狭窄部の撮影が可能
  • センサーサイズが小さく接近した撮影が必要なため、撮影範囲がポールの届く場所に限定される
  • 主構内部(桁側面)など

検証項目

  1. 「精度」について、ひび割れた形状・本数、ひび割れ長さ、ひび割れ幅を指標とし、従来法との比較を行った。
  2. 「生産性」について、作業工程ごとの要した時間と人工を計測し、それを基にした費用を算出して、従来法との比較を行った。

検証結果 各機材と画像診断AIを組み合わせて検証した結果

凡例  〇:同等以上  △:同等  ×:劣っている

撮影機材 精度 生産性 備考
一眼レフカメラ

△(将来的に〇)

将来的に技術開発が期待できる
ドローン × 現状では、人工、費用とも従来法より劣るため、今後の技術開発要
ポールカメラ

△(将来的に〇)

ドローンレンタル費が抑えられれば生産性は同等以上

ドローン活用
北電技術コンサルタントでは、JVSと業務提携を⾏い、ドローン活⽤による社会課題解決を⾏います。
DJI社製の産業機やRTK搭載機種を多数所有し、⼟⽊建築各部⾨に認定資格取得済みの操縦⼠を配置。
北陸電⼒グループのフィールドでの豊富な⾶⾏実績もあり、さまざまなシチュエーションに対応しています。

ドローンを活用して巡視点検や災害状況の把握を効率化します。

  1. 高所からの撮影が可能であり、点検作業の効率化が可能。
  2. 人が立ち入れない場所での撮影が可能。
  3. 3次元モデル化することで、被災範囲の確定・復旧対策工の検討に活用可能。
  4. 被災記録として活用可能。

遠隔地の巡視点検効率化と被災地の被害状況把握

ドローンは空中からの撮影が可能であり、被災地の被害状況を俯瞰することが容易です。また拡大写真でも画素数が十分に確保されており、目的に応じた撮影方法が可能です。

ドローンを活用して水力発電地点の可能性検討を支援します。

  1. 短期間に広範囲の河川形状を把握可能。
  2. 河川周辺の植生についてリアルタイムな状況が確認可能。
  3. 河川周辺の斜面崩壊などの変状について3次元での状況把握が可能。
  4. 河川勾配・高低差・砂防堰堤等の設備設置状況が把握可能。
  5. 発電施設の概略設計や概算費用算出に活用が可能。

河川敷のドローン空撮により簡易測量が可能

従来、広範囲な地形や⾼低差の⼤きい傾斜地(河川など)を測量する場合、15kg程度の測量機材を⼈⼒で運搬しながら作業が⾏われていますが、滑落や転落の恐れがある危険地域に⽴ち⼊ることもあるため、作業員に対する労⼒が膨⼤でした。

ドローンによる写真測量を⾏ったことで、河川敷の⾼低差や延⻑を簡易的(測量精度:10~30cm程度)に把握でき、従来測量よりも20⼈⼯程度の⼯数削減となりました。(※当社⽐)
また、植⽣状況が著しく段差などが多い地形では、更に負担軽減効果が⼤きいと考えられます。

取得した点群より縦横断図の作成が可能。高低差が把握でき、三次元設計が容易

①ドローン写真測量と赤外線カメラを併用して斜面防災設計を支援します。

  1. 急崖地形の立入り困難箇所の測量効率化が可能。
  2. 周辺構造物との位置関係の把握が容易。
  3. 任意の箇所にて断面図が作成可能。
  4. 広範囲な状況を3次元で把握可能。
  5. 赤外線カメラを併用して寒暖差を利用した既設モルタル吹付の劣化状況の把握可能。

<急傾斜地での地形測量>

!安全に斜面全体の尾根や谷筋の確認が可能!

ドローン撮影画像を現況説明資料に活用(上空より)
ドローン撮影画像を現況説明資料に活用(平面より)
サーマルカメラで吹付のり面を撮影

≪効果≫

・省力化(コスト削減)
・安全に作業

ドローン写真測量のメリット

  • 現地作業の簡素化(急崖地形等による人が物理的に入り込めない箇所の作業)
  • 周辺構造物との位置関係の把握が容易
  • 任意の箇所にて断面図が作成できる
  • 広範囲は現況を把握できる

ドローン写真測量のデメリット

  • 詳細な地形測量には使用不可(樹木下の地形判読不可)
  • 雨天時の作業は不可
  • 道路形状・吹付面は路線測量時に詳細測量が必要

②ドローン写真測量と路線測量を併用して斜面防災設計を支援します。

  1. 急崖地形の立入り困難箇所の測量効率化が可能。
  2. 周辺構造物との位置関係の把握が容易。
  3. 任意の箇所にて断面図が作成可能。
  4. 広範囲な状況を3次元で把握可能。
  5. 植生繁茂等で地表が把握できない箇所について路線測量の等高線データを併用し地形再現可能。

<ドローン写真測量と路線測量を併用した地形把握>

!3D空間で斜面対策工検討のための横断図を作成!

①ドローン空撮一点群オルソ化
②写真測量で欠落した個所は現地測量で地形データを補完し、Civil3Dで2D等高線を3Dメッシュ化
③測量図をWingEarthに取り込む
④樹木下の地形メッシュが確認できる
⑤測量図内の横断線形確認
⑥横断図作成
3Dモデリング(BIM/CIM)活用
BIM/CIMとは、建築・土木工事において3次元のデータ(3次元モデル)と各種のデータを結びつけて活用する取リ組みのことで、建設プロセスの生産性効率化を図るものです。当社で取り組んだBIM/CIMモデル活用事例を紹介します。

別又谷発電所のBIM/CIMモデル活用