個室67床(2人室あり)の住宅型有料老人ホームの計画です。隣接する病院やグループホームと連携して経営を行うため、新築建物に必要な室・機能や動線計画を、既存施設と連携し有効に分担することで、より豊かな居住環境を築くことを目標としています。内部空間は、ゆったりとした食堂スペースを中心に中庭とテラスを配置し、豊かな居住環境を目指しています。外観は、木に似せた風合いを持つルーバーを用いて、白壁部分とのリズム良いデザインとし、さらに建物の四方でデザインに変化をつけました。入居される方それぞれが、ご自分の住まいと感じていただけるよう、隣接する個室は壁クロスやカーテンを変える等、随所に工夫を凝らしました。
個室の大きさや形状に少しずつ差異がありましたので、階や方角などの場所ごとで、部屋の設えに少しずつ変化を持たせながら、それぞれの個室の使い勝手について詳細図を用いて検証しました。また、玄関からホールに入って目の前に現れる中庭には、お施主様のご自宅から運んだ大きな石を用いて、石庭を造りました。この中庭は、上階の談話コーナーや廊下からも見下ろすことができます。なかなかお一人では外出ができない方が入居されても屋外の雰囲気を感じることができますし、ご家族とのご歓談の際にも花を添える役割を果たすことを期待しています。